ひゃっほう

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ハナテン

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「……お前、はっきり言って無茶苦茶可愛げないぞ」

そう言う淳司の顔は少々不機嫌なものになっている。

さっきの震えは目の錯覚だったのではないか淳司は疑っていた。ここまで先手を打って、かつ最悪の可能性を考慮しつつ前進するのは並大抵の知力、精神力ではない。

自分から見れば超人にも等しい行為だ。

「へえ。あんたが私に可愛げなんか求める訳?」

小馬鹿にしたような亜季の微笑み。

「へいへい。馬鹿な俺は雑用係に徹しますよ」

そう言って片手をぶらぶらと振って、残る右手にはメモを持ち、淳司は亜季に背を向ける。メモされた本が収められている本棚に向かってだらしなさそうに歩いていく。

しかし、亜季は思う。

彼が側にいるから自分は安心出来る。

ただ普通に慌てる彼が側にいるから、いつも通り冷静になる事が出来る。

何も偽らず、素直に思った事を口に出し、行動に移す。

それは強がりという鎧で身を包んだ彼女にはとても羨ましく見えるものであり、自分には絶対に出来ない、そして、この異常な状況下では他の人間でも振舞うことが出来ない『強さ』である、と瀬川亜季は考えていた。