でも
「でも、これだけじゃわからないわね」
亜季は思案するように腕を組む。
そこに、
「どうだろ?皆で正直に腹を割って、この事件が起こる前まで、『時間が止まること』についてどう思っていたかを話すってのは?」
総司が周りを見渡しながら問い掛ける。
「この際、何でもヒントはいるしな。それ、いいかもな」
淳司が彼の意見に同調する。
しかし、疑り深い亜季は、
「……言いたかないけど、本音を皆喋るという保証はあるのかい?」
「信じるしかないね」
亜季の問いに、総司はきっぱりと言い切る。
「皆を信じられなかったら、この矛盾は抜け出せない。なら、信用するしかない」
ぽん、とジャックが自分の手をうつ。
「それかもしれないヨ!妖精がモノガタリで伝えたいこと!周りが皆を信頼すること。コレ、『努力』『友情』『勝利』の法則の一つネ!ハリウッド映画じゃ常識ヨ!」
「ありえるな。そうと決まりゃ腹割って話そうぜ」
パン、と自分の膝を叩いて淳司は語りだした。
「俺は単純に、テストとか、学校が嫌いだった……日常に嫌気が差してたんだ。こんなことのやる必要のない世界に生まれてりゃ……とか思ってた……正直、こういった非日常的……心が躍るような事件が起こるのを、心のどこかで望んでいたかも……いや、望んでいたんだよ」