暑し
淳司がそこまで一気に言うと、皆は意外そうに彼を見ていた。なぜなら彼は確かに勉強嫌いで四人には知られていたが、いつも明るくて元気がよく、真島淳司は日常に嫌気が差していたようにはとても見えなかったからだ。
「……次は僕が言うよ……時間に止まって欲しい、と言うよりは、父さんの跡を継ぎたくなかったんだ」
総司は酷薄な笑みを浮かべている。
「皆、僕が財閥の息子だと知るだけで態度を変える……そんな『財閥の息子』という肩書きが僕はとても嫌いだった……だから、僕は跡を継ぎたくなんてなかった……時間が止まればそんな必要もないって、思ってしまった」
自らの弱さを恥じるように彼は俯く。
「だから、僕が財閥の息子だと知っても皆の態度が変わらなかったのはすごく……すごく、嬉しかったな」
総司の声が震えているのに、四人共気付いていた。
彼が財閥の息子だと言われるの嫌っているのは知っていたが、そこまで深刻に考えていることを四人は知らなかった。
もちろん、彼が四人をいかに大切に思っていたかも。