自暴自棄
「ボク、ちょっとトイレ行きたいネ。ソウジ、肩貸してくれない?」
「あ、ああ。でもトイレに行くだけで大丈夫かい?」
大丈夫大丈夫、とジャックは陽気に答える。
そしてジャックは総司に肩を貸してもらいながら。
退室する直前、三人の方を向き、ウインクして戸を開けた。
(あ!)
淳司と翔子は悟る。
次は翔子の番だ。
だが総司の前でそれを言うのはあまりにも酷だ。こんな状況で告白するだなんて翔子が可哀想だ。告白するなら自分の意思でさせた方がいい。
決してうまい演技ではないが、鈍感な総司なら気付かれないだろう。亜季が変えてしまった場の雰囲気を変える意味合いも考えての行動だ。
ジャックはそう考え、一芝居うって総司を連れ出したのだ。
「ジャックに感謝すんだな、芝田」
淳司は微笑みながらそれだけを言う。
「……うん」
「……やっぱり芝田の原因は……総司絡みか?」
「総司君て……チョコ渡しても私の気持ちに気付いてくれなかったじゃない?私を異性としてはみてくれてないんだって……それに……」
「それに?」
淳司が促すと翔子はおずおずと答える。
「……私と総司君じゃ……立場が……」
「釣り合わない、と?」
淳司の問いに翔子は頷く。