史記
黒霧史記が図書室に向かったあと、五人はかなりぎくしゃくしていた。自らの心情を吐露したのと、他の者の悩みに全く気付けなかった自責の念の為に。
「……今日はどうするんだい?」
切り出したのは総司だ。
五人の知恵袋である亜季があんな心情を吐露したあとでは、他の者で何とかするしかないと総司は考えていた。
「……黒霧先輩に意見を聞いてみるのはどう?」
翔子が提案したが、
「いや、黒さんからはもう十二分にアドバイスしてもらった。もう何もないだろ」
淳司がそれを却下する。
「……これはタブーだと思うケド」
ジャックが耐え切れないように口にした。
「妖精の願いを叶えられた人、誰だと思ウ?」
「!」
亜季を除く三人がこの言葉で緊張し始めた。警戒する視線が混じり始めている。
しかし、
「今、それを話しても意味はない」
総司がこれを封じる。
「どうしテ?」
「犯人の探りようがないから」
無駄に詮索して和を乱す方が総司にとっては怖かった。