駄文
「何を根拠にそんなこと言うのよ?」
「昨日の黒さんの話、覚えているか?」
亜季はしばらく考え込み『あ!』と小さな叫びをあげた。
「昨日の話?」
史記は何のことかわからないようだ。
「黒さん、俺達は昨日……いや、二月十三日なんだけど……こんな話を聞いたんだ」
『遠い昔に……置き忘れてきたものがあるような気がする……それが何なのか、もう思い出せない……いや、記憶を奪われたって言った方が適切か。致命的なまでに、遠いどこかに置き忘れてきちゃった……』
淳司は語る。
「本当の事言うと、俺達、昨日からその時間を……二月十三日を繰り返しているんだ。今の言葉は昨日、つまり、一回目の二月十三日に聞いたんです」
史記は深刻な表情で、
「……そう。なら、君達が言っていることは確かに事実だね。記憶の事は私、これまで一度も喋った覚えがないから。それを知っているということは、確かに君達は時間を繰り返しているようだね」
沈痛な表情で告げる。
「この話が信用出来るんですか?先輩の話は他の人から聞いたのかもしれませんよ?」
亜季の確認するよう問いに、史記は、
「体験済みだからね。パターンは違うけど、多分妖精の仕業。それにさっきも言ったけど、この話は私の記憶では間違い無く誰にも喋っていない。誰にも喋っていないのをどうやって知る事が出来るの?でも君達が時間を繰り返しているのなら、その繰り返された時間の中で私自身が喋った可能性は考えられる」